5月22日14時45分から日大アメフト部の選手、宮川泰介さんが記者会見を開きました。
私もこの会見を見ましたが、その内容は衝撃的でした。
こんなやりとりがあった上で、内田監督をはじめ日大側の対応があんな感じなのか…と。
はっきり言って、恐ろしいです。
今回は、宮川泰介選手が会見で語ったことの時系列と会場での質疑応答をまとめましたのでご覧ください。
それでは参りましょう。
そもそも、アメフト反則タックル問題の経緯がよく分からないという場合は、「内田正人監督の経歴とともにアメフト反則タックル問題を時系列にまとめた記事」をご覧ください。
記者会見の動画
記者会見の模様を動画で見たいという方はこちら↓
弁護士からの話では、本人が希望して記者会見を開いたとのこと。
会見で配布された資料はこちら
日本大学アメフト部の反則タックル問題に関する日大選手の記者会見を生中継でお送りしております
会見の視聴はこちらから⇒ https://t.co/tLp1Gngkcz
会見場で配布された資料はこちら↓ pic.twitter.com/pB2bRGBBNB
— ニコニコニュース (@nico_nico_news) 2018年5月22日
代理人弁護士からの経緯説明
まず、代理人弁護士が述べていたのは、「顔出しをして会見をするのは異例である」ということ。
そのリスクは弁護士から本人(宮川選手)に説明したが「被害者へ謝罪をしたい」という強い思いから、顔出し&実名での会見を開くことになった。

宮川泰介選手の「被害者へ謝罪をしたい」という思い
この会見が事実を明らかにするだけではなく、被害者とその家族、そして関学大のチームへの謝罪の意味が強い、という説明がありました。
「顔を出さない謝罪はない」という思いがあったとのこと。


記者会見の目的
そして、弁護士から今回の記者会見の目的の説明がありました。
まずは、「被害者へ謝罪をしたい」という気持ち。
そして、「監督とコーチから指示があったことを明らかにしたい」ということです。
弁護士の説明によると、5月6日の試合(反則プレーをしてしまった試合)の後、宮川選手は、5月10日に監督を訪問しました。
そして、個人として直接謝罪がしたいと内田監督に言ったところ、拒否されたとのこと。
このとき、監督からは「なぜ君はあのようなことをしたのか?」ということは一切聞かれなかったということです。

宮川泰介選手からの陳述書の内容
ここからは、宮川選手本人の口から説明があった内容です。
宮川選手に起きた出来事を時系列にまとめてみます。
4月22日、29日
4月22日、4月29日の試合は、スタメンで出場できていました。
5月3日
しかし、5月3日の実戦形式の練習でプレーが悪かったという理由でコーチから練習を外されました。
そのとき、このように言われたそうです。
監督・コーチより
監督「やる気が足りない、闘志が足りない」
監督「宮川はやる気があるのかないのかので、そういうやつは試合に出さない。辞めていい。」
コーチ「お前が変わらなければ、試合には出さない」
こんな指示を出したコーチは誰?コーチについて調べてみた記事はこちらです。
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5月4日
宮川選手は、「第3回アメリカンフットボール大学世界選手権大会」の選手に選ばれていましたが、なぜか監督からは「お前は日本代表に行ってはいけない」と言われたそうです。
しかし、監督から言われたことは絶対なので言い返せず、そして理由を聞くこともできず、「わかりました…」と従ったとのこと。


そして、この日は、今年度ではじめてのディフェンスインディーの日。
1年生が未経験だったので、宮川選手がダミーを持って、タックルを受ける練習をしていたところ、コーチから「なぜ最初にダミーを持つんだ」と叱られ、グランドを10周走らされたそうです。
その日の実践練習は、井上コーチから「宮川は出さない」と言われ、外されてしまうことに。
5月5日
この日も、実践練習からは外されてしまった宮川選手。
練習後、宮川選手は、井上コーチからとんでもないことを耳にします。
井上コーチの一言
「監督にお前をどうしたら試合に出せるか聞いたら、『相手のクォーターバックを1プレイ目で潰せば出してやる』と言われた。『クォーターバックを潰しに行くんで、僕を使ってください』と言いに行け」
これだけではありません。
井上コーチの一言
「相手のクォーターバックと知り合いなのか。関学との定期戦がなくなってもいいだろう。相手のクォーターバックが怪我をして秋の試合に出られなかったら、こっちの得だろう。これは本当にやらなくてはいけないぞ」
「髪型を坊主にしてこい」


それにしても「相手のQBが怪我したら…」ってコーチが言ってるってことは、それはつまり「ケガさせろ」という指示になりますよね。
そして、先輩からもこのように言われました。
先輩からの一言
「井上コーチに『宮川にアラインはどこでもいいから、1プレイ目からクォーターバックを潰せ』と言っとけ」と言われたよ
これらの言葉を聞いて、宮川選手は、「相手を潰すくらいの強い気持ちでやってこい」という意味ではなく、本当にやらなくてはいけないのだと思いました。

5月6日(試合前~試合中)
宮川選手は「ここでやらなければあとがない」と思い、試合会場に向かいました。
ですが、やはりスタメンの名前には宮川選手の名前はありませんでした。

試合前の練習のとき、宮川選手は井上コーチに「今、言ってこい!」と、例のセリフを言うようにせかされました。
そして、宮川選手は監督にこう告げます。
「相手のクォーターバックを潰しにいくんで使ってください」

すると、監督はこう言ったのです。
「やらなきゃ意味ないよ」

そして、井上コーチからは「思いっきり行って来い」と言われ、さらに、追い打ちをかけるように、試合直前になると井上コーチが宮川選手に近づき、こう言いました。
「『できませんでした』じゃ済まされないぞ、わかってるな」

そして…
宮川選手は関学大のQB選手に反則タックルをしてしまったのです…。
宮川選手は、本件直後は何も考えられない状態だったと言っています。
よっぽど、追い詰められていたのでしょう。
5月6日(試合後)
ここまででも衝撃のエピソードでしたが、試合後のエピソードも壮絶でした。
試合後、スタメンと4年生が集められたときに、監督はこう言ったそうです。
試合後の監督の発言
「こいつのは自分がやらせた。こいつが成長してくれるんならそれでいい。相手のことを考える必要はない」
「周りに聞かれたら、俺がやらせたんだと言え」

そして、井上コーチからもこんなことを言われています。
試合後の井上コーチの発言
「上級生は、自分にもやらせてくれと言ったぞ。お前にそれが言えるのか。お前のそういうところが足りないと言っているんだ」
「優しすぎるところがダメなんだ。相手に悪いと思ったんやろ」
5月8日
宮川選手は、監督に「もうフットボールはできない」と告げました。
すると、監督は…
監督の一言
「お前の罰は、あの時罰退になって退場になって、お前の処罰は終わっているんだからいい。世間は監督を叩きたいだけで、お前じゃない、気にするな」
そう言うと、練習に出ていったとのこと。
コーチからは、「お前が辞める必要はないだろう。向こうとの試合がなくなろうと別にいいだろう」というような話をして、退部を申し出た宮川選手を引き止めました。
会見での質問とその回答
以下は、会見で出た質問とその回答です。
Q&A
Q:ご自身にとって内田監督、コーチの存在とは?今回の件で何か変わった?伝えたいことは?
A:いくら指示があったとはいえ、自分がやってしまったことは変わらない。反省している。
監督、コーチに対して僕がどうこう言うことではないのかなと思っている。
監督の存在は、意見を言えるような関係ではなかった。
僕の方から伝えることはない。
Q:甲子園ボウルで活躍していたあなたが、どこで誤ってしまったと思いますか?
A:監督、コーチ陣からプレッシャーがあったにしろ、自分で正常な判断をすべきだったと思っています
Q:関学大側は謝罪は受け入れてくれたと思いますか?
A:うなずく形で聞いてくれた
Q:これまでにも同様の指示はありましたか?
A:いえ、僕は把握していない。
Q:試合直後、涙を流されたということですが、直後から大きなことをしてしまったという自覚はあった?
A:はい、ありました。
Q:なぜやってしまったのか?ご自身のスポーツマンシップを監督の指示が上回っていたのでしょうか?
A:監督、コーチの指示を超えられない、自分の弱さだと思います。
Q:ご自身にとってそれほど怖い存在だったということですか?
A:はい
Q:監督、コーチからの指示は「潰せ」という指示だったのでしょうか?
A:監督、コーチからの伝えられた言葉は『つぶせ』という言葉だったと思うんですが。上級生の先輩を通じて、アラインはどこでもいいからつぶしてこい、それと、秋の関西学院との試合の時に、相手のQBがけがをしていたらこっちの得だろうという言葉もあり。けがをさせるという意味で言っているのだと僕は認識していました
Q:これを拒否していたら、どうなっていたと思いますか?
A:この週もそうですが、試合前、練習に入れてもらえていなかった。どうなっていたか、はっきりわからないけど、今後ずっと練習に出られない状況にはなりたくなかった、という気持ちです
Q:ご自身にとってアメフトはどんな存在?
A:高校から楽しくやっていた。大学に入って厳しい環境になり、徐々に気持ちが変わっていったという部分もあります。
好きだったアメフトがあまり好きではなくなってしまったという部分もあります。
厳しい環境に身をおくことになってしまったので…。何が原因かというのは一概には分からない。
Q:今後、どのように過ごしていくことが望ましいと思いますか。
A:アメフトを続けていくことはない。今のところ、何をしていくべきか分からない状態です。
Q:内田監督の会見は見ましたか?
A:僕がどうこう言うことではないと思います。
Q:日本代表に『行くな』との言葉に、何も答えられなかった。日ごろから監督に否定をできない空気だったのでしょうか?
A:直接監督と話をする機会はないのですが、意見を言えるような関係ではなかったです。
Q:厳しい中に理不尽も多々ありましたか?
A:あったかもしれませんが、練習の厳しさもふくめて去年の結果が出たと思うので。
Q:監督、コーチに対して信頼はありましたか?
A:井上コーチに対しては、高校2年から監督をしてもらっていたので、信頼していたかもしれません。内田監督については、話をする機会がそんなにないので、信頼関係というものは分からないです。
Q:まわりからお前は悪くない、監督・コーチが悪いという声はなかったか?
A:あったと思います。ただ、やってしまったのは自分なので、自分が反省すべきと思っています。
Q:今後調査でいろいろと明らかになり、関学や被害者の方も許してくれて、もう一度アメフトやってくれと言われたら?
A:今はどのようなことは考えられないです。今の所、将来的にもない。
Q:当日、整列の際にコーチから『出来ませんじゃすまされないぞ。わかってるな』と言われたのか?
A:はい
Q:日大側から口止めはあったか?
A:口止めというのはないです。
5/23 日大側の反論コメント
宮川泰介選手が決死の覚悟で会見を行った後、日大側からはコメントが発表されました。
日大側の反論コメント全文はこちらの画像をご覧ください。
一番の悪は
日大アメフト部 内田正人前監督、井上奨コーチだが
日大広報部も火に油を注いでいると思うこの他人事のような文章はなんなんだろう#日大アメフト悪質タックル問題 #日大アメフト pic.twitter.com/lhvedQIOz6
— chikuwa (@chikuwa1252) 2018年5月22日
要点をまとめます。
日大側のコメント
- 「QBを潰せ」という言葉があったことは認めた
- しかし、それは「ケガをさせろ」という意味ではないと反則プレーの指示は否定
- 内田監督とコミュニケーション不足が問題の本質
あの会見を持ってしても、日大側は反則プレーの指示を否定し続けています。
そうなると、「なぜ、宮川選手が反則した後に、注意しなかったのか?」「『相手のQBがケガをしたら楽になる』という発言はなんだったのか?」ということに矛盾が生じます。
このまま、学生である宮川選手のせいにするつもりでしょうか?
宮川選手が反則プレイを犯すまでの経緯が壮絶すぎる
正直な所、この会見を見るまではこのようなやりとりがあったなんて想像できませんでした。
想像以上に内田監督、井上コーチの指導陣の権力が絶対だということ、そして、その権力が指導の域を超えていること。
まだ社会に出ていない学生にとって、監督・コーチの言うことは絶対で、それが正しいと思い込んでしまうのではないでしょうか?
学生を指導する立場の人間が、勝つために非道な手段を選手に強いるのは、非道すぎます。
こんな手段をして優勝してもなんの価値もありません。