「ひらやすみ」の感想。何も起きない心地よさと、岡山天音の気だるさにハマった

観た・読んだ

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先に言いますね

  • 「ひらやすみ」は、大きな波のない凪のような物語で、その穏やかさが心地いい作品です。
  • ドラマ版は主人公ヒロトを演じる岡山天音さんの気だるさがハマり役で、思わず他の出演作まで観てしまいました。
  • やる気がないように見えて本質をつかみ、誰も傷つけないヒロトは「こうなりたい」と思える人でした。
  • ドラマは1話15分。疲れた日や、考えすぎて頭がいっぱいの夜に、寝る前の1話がすごくリラックスできる時間になります。のんびりした音楽も、その効果を後押ししてくれます。

最近、ハマっている作品があります。「ひらやすみ」です。

漫画『ひらやすみ』1巻の表紙
『ひらやすみ』1巻(真造圭伍/小学館 ビッグ コミックス)

漫画で読んで、そのあとドラマも観ました。どちらも良かったんですが、今日はとくにドラマの話を中心に書きます。

何も起きないのに、なぜか観続けてしまう

「ひらやすみ」は、これといって物語に大きな波があるわけではありません。

派手な大どんでん返しがあるわけでもない。主人公のヒロトが、いとこのなつみと平屋で暮らしていて、ご飯を食べたり、近所の人と話したり、ちょっと悩んだりする。

もちろん、悲しい出来事もあります。でも、それすら大げさに描かれずに、毎日の暮らしの中に静かに溶けていく。

なのに、なぜか次の話を観てしまう。

この「凪(なぎ)」みたいな感じが、とにかく心地いいんです。毎日なにかしら情報を浴びて、気づけば頭の中がずっとザワザワしているので、何も起きない物語に、逆に救われている気がします。

岡山天音さんの気だるさがハマりすぎている

ドラマ版で主人公のヒロトを演じているのは、俳優の岡山天音さん。

この人の気だるさが、めちゃくちゃいい。

がんばってる感じがまったくないのに、ちゃんとそこにいる。台詞を言っているというより、ヒロトがそのまま喋っている感じがします。漫画を先に読んでいたので「実写はどうなんだろう」と少し身構えていたんですが、観始めて5分で、そんな心配はどこかへいきました。

あまりにハマりすぎて、思わず岡山天音さんの他の作品まで、Amazonプライム・ビデオで観てしまいました。ヴィレッジヴァンガードを舞台にしたドラマ『ヴィレヴァン!』では主演をしていて、こちらもまた別の味わいがあります。一人の俳優を追いかけて過去作をさかのぼるのは、ひさしぶりでした。

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音楽も、のんびりしていていい

ドラマは音楽も良かったです。音楽を担当しているのは富貴晴美さん。

主張しすぎず、物語のテンポにそっと寄り添ってくれる感じで、こちらも肩の力を抜いて、のんびり観ていられます。

疲れた夜の、15分のリラックス

ドラマは1話15分。この短さが、すごくちょうどいいんです。

疲れた日や、考えすぎて頭がいっぱいいっぱいの夜。何か観たいけれど、1時間のドラマを観る元気はない。そんなときに、寝る前に1話だけ観る。

何も起きない物語と、のんびりした音楽。15分観終わるころには、頭の中のザワザワが少し静かになっています。音楽の効果も大きくて、観ているというより、15分ぶんのリラックスをもらっている感覚に近いです。

一人で仕事をしていると、仕事の終わりが自分で決めにくく、夜まで考えごとが続きがちです。そんな日の切り替えスイッチとして、僕にはちょうどよかったです。

ヒロトは「やる気がない」んじゃなくて、本質をつかんでいる

ヒロトは、一見するとやる気がなさそうに見えます。

でも観ているうちに、そうじゃないなと思いました。やる気がないように見えて、ちゃんと本質をとらえているんです。目の前の人が本当に困っていることや、大事にしていることを、ふわっと、でも正確につかむ。

そして何より、誰も傷つけない。

これ、すごいことだと思います。正しいことを言おうとすると、どうしても誰かを傷つけてしまうことがある。仕事をしていると特にそうです。でもヒロトは、正しさで殴らない。それでいて、相手がちょっと前を向けるような一言を置いていく。

「こういうものに、僕はなりたい」

観終わって思ったのは、宮沢賢治の詩じゃないですが、「こういうものに、僕はなりたい」ということでした。

僕はいま地方に移住して、上司も部下もいない環境で仕事をしています。誰かに急かされることも減ったし、嫌な相手とは距離を置けるようにもなりました。それでも、つい何かを証明しようとしたり、がんばっている自分を見せようとしたりしてしまう。

ヒロトを見ていると、「別にそんなに力まなくてもいいんじゃない?」と言われている気がします。

それに、自分がそうなりたいというだけじゃなく、友達として近くにいてほしい存在でもあるんですよね。ヒロトみたいな人が近所にいたら、たぶん毎日ちょっとだけ楽しくなる。

あんな平屋に住みたい

もうひとつ。「ひらやすみ」はTVアニメ化も決まっていて、2027年1月からNHK総合で放送されるそうです。そのTVアニメ「ひらやすみ」公式サイトがまたいい感じなので、ぜひ見てほしいです。

作品の空気感がそのまま伝わってきて、眺めているだけで落ち着きます。そして何より、ヒロトたちが暮らす平屋の一軒家。

正直、あんな平屋に住みたいです。縁側があって、季節の音が聞こえて、誰かがふらっと遊びに来る。地方に移住した身としては、わりと本気でうらやましい暮らしです。

こんな人に「ひらやすみ」をおすすめしたい

  • 刺激の強いドラマに、ちょっと疲れている人
  • 考えすぎて、寝る前まで頭がいっぱいの人
  • 「がんばらなきゃ」が口ぐせになっている人

1話15分なので、1日1話ずつ、寝る前の習慣にするのがおすすめです。

観る・読むなら

僕はドラマをAmazonプライム・ビデオで観て、漫画でも読みました。漫画・Blu-ray・サウンドトラックは、記事の最後にまとめています。

何も起きない物語に、こんなに満たされるとは思っていませんでした。しばらくは、ヒロトのことを思い出しながら、力を抜いて過ごしてみようと思います。

この記事で紹介したもの

よくある質問

「ひらやすみ」はどんな作品ですか?
真造圭伍さんの漫画が原作で、ドラマ版は2025年にNHKの夜ドラとして放送されました(1話15分・全20話)。主人公のヒロトと、いとこのなつみが平屋で暮らす日々を、派手な展開に頼らず丁寧に描いた物語です。
漫画とドラマ、どちらから見るのがおすすめですか?
僕は漫画を読んでからドラマを観ましたが、どちらからでも楽しめました。ドラマは1話15分と短いので、寝る前に1話ずつ観るのにちょうどいいです。
ドラマはどこで観られますか?
僕はAmazonプライム・ビデオで観ました。配信の状況は変わることがあるので、最新の情報は各サービスで確認してください。